かわいくて優秀。OLYMPUS TRIP35
OLYMPUS TRIP35というカメラ
オリンパスのカメラ!というと一眼レフのOMシリーズや、ハーフサイズのフィルムカメラPENシリーズなどが有名。
このTRIP35はPENシリーズに見た目がそっくりですが、実は・・フルサイズなんです。
見た目がころんとしていて本当にかわいい!
実はかわいいだけではなくて。
とっても親切で優しい、お利口さんカメラなのです。
絞り設定
大概A(Auto)を使っていますが、F2.8〜F22まで設定可能です。
シャッタースピード
絞りがAで設定されている場合は自動的に1/30秒か1/250秒に、 F値に設定している場合では、1/30秒に固定されます。
被写界深度(ピントが合う範囲)
目測によるピント合わせですが、ゾーンフォーカスは1m、1.5m、3m、無限遠の4段階。
人間1人(1m)、人間2人(1.5m)、ちょっと離れた人が3人(3m)、山(無限遠)のアイコンの、ダイヤルを回して選ぶだけで勝手に最適を判断してくれます。
露出
自動露出になっており、露出がオーバーだった場合、または、アンダーだった場合。赤いベロが出て来ます。通称「赤ベロ」と言われてます。
この赤ベロが出ると、シャッターが切れないしくみになっています。
これで露出の失敗、真っ白になったり真っ黒になったりがなくなります。
なんて優しいカメラなんだ。
レンズの周りにある、装飾のようなキラキラした部分。これは光で発電する太陽電池(セレン光発電)です。これが露出計を動作させています。
無駄のないシンプルさは、合理性と機能美を追求した賜物。
深く考えず、悩まずに撮影できるので、大事な瞬間を逃すことなくシュパッと切り取ることができます。
名設計者、米谷美久さんの開発秘話が素敵
カメラの操作は複雑で、難しくて大きくて重い。
開発当時、カメラの購入者は男性ばかりだったそうです。98パーセントが男性、女性は2パーセント前後。
難しい操作は一切なしで、ボタンひとつ押すだけでいい簡単なカメラを。
というコンセプトで開発されたこのPENシリーズは、累計1,700万台という大ベストセラーに。
特に女性に大人気だったようです。
簡単+低価格。ですが、撮った写真は素晴らしい描写。
このカメラの生みの親、米谷美久さんの開発秘話がとっても素敵!
これができたらもっと便利なのにな…という発想から生まれるプロダクト。
学生時代からコンテストに入賞するほどの腕を持つ、写真愛好家だった米谷さん。
レンズにお金をかけ過ぎてコスト削減を余儀なくされ、部品点数を減らす目的で考え抜かれたのが、ギザギザ歯車のコマ送りです。後々の使い捨てカメラなどでも取り入れられています。
より満足できる写真が撮影できて、コンパクトで使いやすく、なおかつ安価なカメラをつくりたい。
理想を追い求めるプロセスには、立ちはだかる壁がある。
素材や機構などの「技術の壁」がそのひとつ。
例外を認めようとしない「常識の壁」がもうひとつ。
斬新なアイデアも、夢も、このふたつの壁を乗り越えてこそ現実のものとなる – OLYMPUSのサイトより
写真を愛し、アイデアを形に。
たくさんの新しいカメラたちを世に送り出した米谷さんは、オリンパスのカメラ事業だけでなく、その後のカメラ産業にも影響を与えた技術者さんです。
追記:わかりやすい!使い方はこちらをご覧ください
この記事を見てくださった方が、使い方をわかりやすく解説をしてくださっています。ありがとうございます・・!
フィルムカメラ「OLYMPUS TRIP 35」とは、どんなカメラ?
断然わかりやすいのでぜひ。
フィルム写真はたのしいです。フィルムカメラを始めたいかたも、フィルムをやっていらっしゃるかたも。
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